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ダリ展

ダリ展_e0075252_2151859.jpgDaliと言えば、「時間の固執」の歪んだ時計(ちなみに溶けたカマンベールチーズから 閃いたそう。)が有名だが、
やっぱりただものじゃない と思った。
彼の作品は、一筋縄ではいかないというか、一つの絵画に 何層かのシーンが 同居しており、その小さなデイーテイルだけでも 物語があるのだが、そのピースを重ねた時、より意味深なメッセージが浮かび上がるという、twistの効いた表現となっている。
おそらく彼は、それを意図して描いたというより、筆をとって描いているうちに、彼の中の思想が言葉を発するように 色となり形となり、具有化してゆく。
私達にとっては、奇想天外でユニークに見えるものも、
彼にとっては、自己表現に過ぎない、言葉を発するように
キャンバスの上で 寝っころがり ひっくり返ったり、穴を開けたりするような そんな遊びに ただただ興じているだけなのかもしれない。

結構 おどろおどろしいシーンを描いているのだが、
グレーを主とした中間色に 吸引するように、赤やトルコブルーが使われており、血が滴るのでさえ、ジュエリーな輝きを放っている。

まったく別の 一見関わりのないモチーフを見ていて、
環境破壊への警告を思わせるシーンがあったり、
画像のポストカードその2のように、
ダブル・ミーニングの趣向を奮わせ、
フェルメールの光と人物と影の構図かと思わせておいて、
離れてみたら、ベラスケスの顔が浮かび上がってきたりするのである。

それにしても、”赤い唇のソファー”、欲しいなあ♪。
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by inner-vision916 | 2007-03-12 21:07 | Art&Music