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荒井 良二さんの”課外授業 ようこそ先輩”

「はんたいなことをすると--- ちゃんとしたことが みえてくるみたいな+++。」

「絵本のつくりかた」の定義なんてのは、きっとボーダーレスだ。キャンバスという枠を越えて広がる世界がある。borderlessだから、自由で面白いがとまらない→。

大きなキャンバスに 音楽を聴きながら 荒井せんせいがクラスのみんなに描いた「ぼく わたし号」。
アクリル絵の具のじか塗りを、手でぐわしゃ~ん!となで上げ、こね回す。
さらに色を上に塗りたくり、縦横無尽に空間を移動する。
飛び回り はじける 色の乱舞。
子どもの頃に誰もが経験した どろんこ遊びの原点に戻るような のびのび手法だ。

あんぐりと口を開けて それを見ていた子ども達、次の瞬間、感動が行動になる。
荒井さんの「ぼく わたし号」の上に Voila!  
絵の具を手に指にとって 思うがままに欲するがままに その上に色を塗り重ねはじめた!
ぽりぽり頭をかき、子ども達にはかなわないなあ~と荒井さん、にんまり・フクザツ。
(授業は3日あったのですが、最後の日の早朝、荒井先生は そのキャンバスに再度色を重ね、みんなの記念にと 「ぼく わたし号」を復活させた。
そして、みんなの思いが融合した。) 

さてさて、このたびの絵本づくり。
16ページにわたる四角い白い絵本。
①一本の線を自由に繋げて描く。 表紙から ずーっとページをまたがって、全部のページを1本の線を引っ張ってゆく。 
まるで それぞれの地平線のように。 まるで それぞれの人生の道のように。
山あり 谷あり、不思議とリズムと抑揚が出た それぞれの線。
②その線のまわりを、”色で汚していく”。(荒井さん独特の key-word!) 
③主人公の色と形を色画用紙で切り取って、好きなようにページに貼っていく。
→いつのまにか物語が見えてくる。

きれいに描こう なんて考えなくていい。
好きなように 動いてみればいい。
楽しいことを どんどん 見つければいい。

それは、当たり前のようで むずかしい、大切なこと。
想像する喜び。何かを創り上げる楽しみ。自分らしくあること。
大人になるにつれて 知識や情報が増えるほど、人は、 こうあるべきとか こうするべきとか こうしたらかっこいいとか、色々自分を固定観念で縛り付けてしまう。
子どもの時のピュアで純粋な感覚は、きっと かつて子どもだった大人達の中にも 眠っているはず。
荒井さんのなかには、小さな りょうじ少年というピーターパンが 住んでいる。
だから、真っ白なキャンバスの世界で 自由にかけまわれるんだ って思う。

「反対なことをすると ちゃんとしたことが見えてくるみたいな・・・。」
小6の男の子が言った授業の感想。   

子どもは やはり小さな大人だ。

by inner-vision916 | 2005-12-09 11:28 | 絵本と小説